アニメ産業論



アニメはもともと輸出産業だったらしい(戦前?)
戦時中、お偉いさん?達がディズニーの「ファンタジア」を観て驚き、「こんなものを作っている国に(戦争で)
勝てるわけが無い」、と思ったとか
戦後日本には金も何もかも残っていなかったので、映画みたく金のかからない漫画を描いているくらいしか
出来なかった
手塚治虫が漫画で稼いだ金で日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」を製作。団らんの時息子にソランか何かの方が
面白いと言われてヘコんだらしい(手塚は自分の作品が行儀がよすぎる?事で常に悩まされていたようだ)
アニメに金がかかり過ぎて虫プロは倒産
「巨人の星」「アタックNO.1」「あしたのジョー」などのスポコンものが確実にヒット作になる
どうやら当時はアニメ(テレビ番組)自体が少なく、どんなものでもみんな観たからなようだ。
「あしたのジョー」のスタッフが集まって出来たのがマッドハウスだ
スパロボに出てくるようなロボットの作品がつくられる。しかしスポンサーのオモチャ売りの宣伝以上のものではなく、
アフターガンダムがデフォルトな世代から見れば、見苦しいだけだ
ヤッターマンやオタスケマン、ガッチャマンなどのタツノコ作品が元気があって面白い。
機動戦士ガンダムが放送終了後にブームに。(当時の)プラモデルがバカ売れしたらしい。接着剤とか塗料とか子供
には大変だったろうなー・・・昔百式作ろうとしてシンナー臭いからやめた。今やハイグレードやマスターグレード
でガレキ以上の造型のものが手に入るもんな。いや最近はフィックスフィギュレーションか。プラモ狂四郎は詳しく
ないけどガンダム野郎は読んでた。ガンキラー。
戦艦ヤマトもこの頃ヒットしたそうだ。やおい同人はここ発祥だと聞いた事があるぞ。
エロアニメ(ロリコン?)はセイラさんの入浴シーンを映画館で撮影してる奴がいて、需要を感じたかららしいぞ。
そんな奴が隣にいたらやだな。自分で描く!とかいう発想はないのだろーか。この頃からオタクって・・・
ちなみにくりぃむレモンの亜美そのあとの、ドライブ中にいちゃついてるシーンがいい。
ガンダム以後サンライズを中心としてロボットアニメが高度なものになっていく。
83年の「幻魔大戦」は当時も話題になったようだ。生まれる前だから知らないけど。"金田パース"と"金田光り"
は模倣者続出の流行に。Zガンダムにもそれが現れている気がする。私は初めて観た時(9歳)その場に硬直し、
画面に釘付けになりこんなすごいものがこの世にあるのか(捉え方でかっ)と思った。
「うる星やつら2」は一般人でも観れるような面白い作品だ。ちなみに1のドタバタも面白い。公開当時の勝手
な推察としてはオタクを始めとし、うる星やつらの信奉者にとってはショックだったのではないか。
まーしかしファンが期待してるのはやまざき版のいつもめそめそした表情の、感情の無い置物みたいなラムだと
思うと・・・過剰なまでに男を痛罵する電撃女の方がまだいいよ。
押井監督は完全に味をしめたと思うが、作品の内容も非常にクオリティの高いものになっている。高校生になって
から観たのだが、作品を観ている自分まで劇中のキャラクターと同じように錯覚に陥っているというのは新鮮
だったし、言い回しは面白過ぎるし、学園祭前夜という"一番楽しい"時間が無限ループするあたりはまさに
オタクフォーエバーだ。モラトリアム的な意味で。
Zガンダムはぶっ壊れるカミーユが新鮮だったと思う。モビルスーツのデザインも6年でこんなに変わるかと
いうくらい新感覚なものになっている。まあそれまでにイデオンやダンバイン、エルガイムあってこそなのだが。
SDガンダムでは目に星を付けるという形で彼の狂気が揶揄されていた。アメリカとかそっちの方のSFの
雰囲気があって好きだ。だいぶフェミニスティックな女傑が多いが私は健気なファの方が好きだ。っても
爪を噛むカミーユをたしなめて精神的に大人である事を猛烈にアピールしていたが。
アーガマの居住ドッグの、カミーユの部屋の扉に立って逆光になってるシーンが好き。
それにしてもキャラクター達の会話の半分は理解出来なかった。だいぶぶっ飛んでましたね。
フォウなんてカワイソ過ぎて・・・あん時だけはカミーユは大人になったよなー。
同年にレイズナーも制作されている。牢屋みたいな部屋の覗き孔からエイジが「逃げるな」って言ってるシーンと、
デビッドがエイジに食料(たぶん宇宙食)を渡すフリして落とすシーンと、最終回の別れのシーンが記憶に残って
いる。あとロアン・デミトリッヒがル・カインに対抗するシーン。ボトムズも同じ人が監督だったけど確か
あの作品は人間の根本的・本質的なものをテーマにしてなかったっけ?単なる軍事アニメじゃなくて。
Zの翌年のZZガンダムは、前作が暗すぎたのでイメチェンしましたってのが明らかなくらい明るい。
私はZZの方が好きだ。ジュドーの行き当たりばったりなキャラも好きだし、ルールカカワイイし。
Zと違ってイタリアとかスペインみたいなラテン系のノリが入っている。オープニングの"アニメじゃない"
は遊び心あって面白いし、ノれるし、アニメーションもサイコーにかっこいいし、ZZの変形は新体操みたいで
美しいし、MSは一層カッコよくなったし。
ZZのテンションの高さはドラグナーに継承される。スパロボで知ってる人が多いのかな。私はスパロボ
がまだドット絵でぎこちなく動いてた頃から知っていたが。第四次の前ぐらいから。
最近はスパロボの画質もGジェネに追いついてきたな。以前はどちらかというとゲーム性重視だったよな。
これ以降OVA中心に巨大でファンタジックというか複雑な細かいデザインのロボットが流行る。
覚えているものだとゼオライマーやダンガイオー、ダンバインなど。全然覚えてねー。
菊池通隆(麻宮騎亜)が出て来たのもこの辺りか?
王立宇宙軍はガイナックスの第一作。当時平均年齢25歳だったらしい。さっぱりとした色調が
主人公のシロツグのなよっちさというか不器用さとマッチしてていい。最後はちゃんと宇宙飛行を成し遂げ
た。坂本龍一のエンディングが最高。私はアニメを半分ぐらい歌で観てる。
88年(ZZから2年、ホントにハイペースだ)、逆襲のシャア。戦闘シーンの作画が非常に素晴らしい。
中学で初めて観たときはこのくらい当たり前だと思っていたが。
私は無条件に作品の内容を崇拝し、信じきっているので客観的に分析する事は出来ない。
ニュータイプとはこんなものだ、地球とコロニーの対立、アムロとシャア、そういったものを感じ
取ってもらえればいいと思う。
91年までの間ファイブスターやパトレイバー、幽幻怪社、魔物ハンターなどネタはいっぱいある。
ガンダムF91は戦闘シーンがカッコよすぎる所と、貴族的な見方をテーマに取り入れた所が
新境地なのではないか。それによってインテリ層の興味を多少取り込んだかも。
監督の娘が家出したから家族の大切さを描いた、という噂も。
トミーノガンダムにしてはさっぱりしてるもんな。
主題歌最高。
92年はセーラームーンや幽遊白書、ドラゴンボールZ(悟空VSフリーザは面白かった。十倍界王拳が
通じない!?とかクリリンが死亡とか、ついにスーパーサイヤ人とか)
さらにはクレヨンしんちゃん(雲国斎の野望最高)やスラムダンク、地獄先生ぬーベーなど
子供向けファミリーアニメの大ヒットの系譜になる。セーラームーンはオタクを一層ディープに(笑)したし、
幽白は女の子ファンが急増で絵のレベルの向上につながったし。
俺は幽白の再放送は全てチェックした。
93年は押井サイドから見ればパトレイバー2の映像がこの人達なんかやってくれるぞといった感じの
溢れてくる力を抑えきれなくなっているという印象。
獣兵衛忍風帖やKIMERAは非常に美しい。私は両作品を中学の時(99年くらい)キッズステーション
で観た。何てサービス精神旺盛だったんだ。今の一人で観たいなんて思えないようなヘボアニメ
のヘビーローテーションと比べたら・・・
獣兵衛忍風帖は陽炎が美し過ぎる。毒見役くノ一であるために上辺では男を拒絶し、気丈に振舞う
が戦いに心は傷つき、安らぎを得たいが素直になれない。男にとってはこんな付かず離れずの
キャラクターはカワイくてしょうがない。しかもこんな美女が。精神的に優位に立ってる感じがした。
しかし獣兵衛は陽炎の誘いを拒絶する。ここに陽炎に対する純粋な愛を感じた。
死に際陽炎は初めて獣兵衛に笑顔を見せた。その顔が、シーンが美し過ぎた。
KIMERAは上半身男、下半身女で顔は美形というキャラがしょぼい男2人に襲われる。
嫌がる細い手をつないで二人がかりで味わってるシーンは、「こいつら挑戦心あるなー」と思った。
それもこれもキメラの妖しい魅力のせいだ。2人の男は血吸われちゃいます。
ラストのKIMERAが上目づかいで微笑みかけて、キアヌというメガネ男がどこか虚ろな様子
で車を発車するシーンがキメラに操られてんじゃないかという感じがして、キメラの美しさの
残酷さを感じた。キメラはメガネ男をキアヌだと思わされているって話だけどカプセルの中から
誘っていたのはキメラだからな。
94年はKEY THE METAL IDOL、ARMITAGE Ⅲと次の時代を先取りしたような
作品が作られる。KEY THE METAL IDOLはキッズステーションかチャンネルネコで
初めて観た時その新しさに驚いたものだ。厨川(ちゅうかわじゃないよ)さんがKEYとともに
追い詰められた挙句、ゴミの島みたいな所で震えながら穴の中に隠れてるシーンがこの後どうなって
しまうんだろうみたいな、不定感のような深さを感じた。それが何とも言えず美しく、惹き込まれた。
ARMITAGE Ⅲのサイバーパンク的世界観には衝撃を受けた。
95年は阪神大震災や地下鉄サリン事件など、現実の脆さみたいなのが切々と感じられるような
大災害・事件が起こった。ウィンドウズ95が発表され、IT革命へ動いていた。
アニメにおいても95年は一大転機になったと思う。マクロスプラスはガンダムを超える出来
だと思う。操縦系統の脳インターフェイスは開発しているらしい。空軍にマクロスファンは多いらしい。
後方の敵などに対して有効なレーザー砲も小型化はまだだが実用はしているとか。加速機というものを使うらしい。
物体の速度は質量?体積?に反比例するから、粒子とか電子はどんどん加速してものすごい
高熱にして軌道を変えて放つんじゃないだろうか。ビームサーベルはIフィールドが無いと作れない。
どうせなら仕組みよくわからんけどブラックホール攻撃!とかした方が強いんじゃないか?
ブラックホールを利用すれば時間を行き来出来るらしい。そしたら90年代後半に戻って
ビデオ屋のアニメコーナーに山ほど陳列されていたエロアニメを観まくりたいね。
最近のゲーム原作みたいなアニメは出来悪すぎ。そこまで外注ですか・・・
でも体積が膨張するらしくスパゲッティみたいに引き伸ばされてとても耐えられないらしい。
因果律の問題もあるらしい。もしあの頃満足にアニメが観られたら大人になってまで
観てる事は無かったかも。すると過去に戻りたい自分はいなくなる。すると満足に観られず・・・
どうやらこの宇宙という箱の外に亜空間があり、そっから宇宙を自由に行き来出来るとか。
タイムワープに関しては色々な考えがある。
余談だけどラプターはあのシンプルデザインといい性能といいもはやアニメだよね・・・
エヴァはカムイ伝的な信者をたくさん生んだ。作品の内容を真面目に受け取ってる人。
庵野秀明が昔撮ったガイナックス版ウルトラマンを見たとき、ただならぬ才能を感じた。
綾波レイは僕らのアイドル的存在だった(誰)
こういう感情を表に出さない女の子は星野ルリに継承されたりして流行ったよね。
俺は明るい女性キャラの方が好きだけど。
エヴァ放映当時小学生だった私には10時前就寝という鉄の掟があったので、観る事が出来ず、
流行についていけなかった。
ゲームも買ってもらえなかったのでFFとかドラクエの話も分からなかった。そうして性格がひねくれていった(爆)
攻殻機動隊はこの年の12月くらいに公開されたらしい。当時は日本ではそれほど盛り上がらず
従って小学生だった私も知らなかった。
アダルトアニメの名作、淫獣聖戦もこの年だったらしい。攻殻がビルボードでビデオセールス1位
を取る前に日本の(日本にしか無いが)アダルトアニメがすでにランキングされていたらしいが、
これかもしれない。アダルトじゃないがアイドルプロジェクトもこの年だ。
96年はX公開の年らしい。民放の紹介VTRを観た記憶がある。人間どうしで空中戦やっててそのカッコ
よさと表現力、作画力が記憶に残っている。アニメは滅多に注目されなかったけどX JAPANという当時NO,1の
ビジュアル系バンドとそのファンを取り込んだ結果だと思う。そういえばちょっと後GLAYのサバイバルのPVなんかも
ニュースやワイドショーでかなり話題になってた。マツキヨのCMなんかもそうだけど都会的でスゴイなーと思った。
女の子が並んで歩いてるシーンとか、地下鉄とか、何重にもダブってるシーンとか。PVが映像表現になってた。
ちなみに最近X JAPANのビデオアルバムに収録されているらしいアニメクリップを観たのだが、かなり動きが細かくて
カッコよかった。映画の戦闘シーンも静かな破滅という美を無視すればもっとハデハデにして欲しかった。
現実に東京の平和を行政的に守っている人達もあれを観て、使命感に燃えたのだろうか。イメージ
戦略が大事くらいにしか受け取ってないかもなー。
アニメ界ではCLAMPブーム、"さくら"ブーム(最近でいう"咲耶"や"可憐"に匹敵)、少女マンガブームなどが
起こり、現在の"NANA"ブームにまで引きずる。テキトーだなー。
CLAMP作品で他に有名なのは東京BABYLONやレイアース、カードキャプターさくらなど。ヒットメーカー
ですねー。男の支持を得られる少女マンガ家は高橋留美子ばりに最強だよな。
全世界のHENTAIファンを魅了する触手アニメとどっちがいいかなー(爆)
東京トリビュートじゃなくてレペゼンでもなくてとにかくそういうスタンスで地下鉄とか高層ビルという
ガジェットがよく使われるのは田舎者にとっては嬉しい限りだ。サイバーパンクなのに旧市街とか
描かれるとボロ看板とか田んぼとかになじんでいる者としてはちょっと盛り下がる。
97年はアニメ作品として特筆すべきものは無い(かな?)が、ポケモンやミニ四駆などコロコロコミック
系のアニメが大人気に。ボンボン派だった私もこの時ばかりはコロコロを買った記憶がある。
あとスレイヤーズとかも流行って、ファンタジー系が出て来た。あとちょっと前だが天地無用とかも。ああっ女神さまっとか。
この頃は世の中でいろいろな流行りがあった。
98年はまず機動戦艦ナデシコ劇場版。この作品があった事はそれとなく知っていた(機動新戦記ガンダムW
劇場版の前売りチケットを買いに行ったら、受付の人に"機動戦艦ナデシコですか"と聞かれた。当時ガンダム
至上主義だった私は(だからエヴァもある意味敵)、そんなものがガンダムより有名なのか、けしからんと思った。
当時SEED(なんてクソ作品)はなかったので、20周年!とか盛り上がりながらも、実質風前の灯火のように
感じられた)が、観たいと思ったのは3、4年前にキッズステーションか何かのケーブルの番組案内でホシノルリ
と黒装束でバイザーをした男(アキト)が向かい合って、ルリが驚いた後、電車の窓の光の列が闇の中を流れていく
シーンを観たとき。都会的なミステリアスさというか、幻想的というか、カッコよくて思わず見入ってしまう。
作品自体はオタクアニメだと思うがこのシーンは名シーンだと思う。
あとモニターというかディスプレイが何も無い空間にたくさん浮かんで出てくる表現も、エヴァ以降活発になった
近未来的なインパクト(ただうるさいという意味ではない)のある映像表現の流れで新しいものを作ったなと驚かされた。
俺はロリキャラは大嫌い(ガキ嫌い)だが、ホシノルリを主人公にしたのはなかなか面白いと思う。
続いてはAika。これもケーブルで観たが、番組紹介のエロさにセンサーが反応し、わざわざ深夜にもう一度
起きて観た。案の定作品はこちらの予想を上回る程のエロさ全開だった。美人で有能なAika。1~4話が
全編通してアダルトな雰囲気なのでオススメ。SPRIGGANやガンドレスもこの時期だった。
この頃角川スニーカー文庫などの現在ライトノベルと呼ばれているようなアニメ系小説が流行り、アニメやマンガ
とメディアミックス展開されるようになる。アニメ原作のマンガというのも増えた。
文具や小物、トレカ、さらにフィギュアなどのマニアックなキャラクター商品も登場。特に女の子向けのやおい
的なグッズが増えた。当時animateに行ったとき、マニアックなグッズの中に魔術師オーフェンのものが
あって驚いた。普通に夕方放映している作品で、私も面白いと思っていたから。今思うとオタク市場の成熟なのかな?
オタクっていうのは自分が好きな事をおおっぴらにさらけだす事だから、それが作品としても評価出来るのは
すごい、という意味で。よっぽど面白くなければ両者を満たす事は出来ないと思う。それがりんたろう、押井守や
川尻善昭、今敏、など映画的な、映像作家とも呼べる人達、また森本晃司のようなアニメ界の枠にとらわれずに
活躍するような人の作品が国際的に賞賛される一方で、世界中の言語に翻訳され、世界中の人が面白い、リアルだと
思うようなキャラクター作品が存在する理由だと思う。本当に面白い作品は世の中の評価など必要としない、と
究極的には思うが。
そんなわけで魔術師オーフェンが登場。あまり観た記憶は残ってないが。
聖ルミナス女学院もこの年。例のごとくケーブルで観た。テレビ初のフルデジタル作品という触れ込みだった。
知らないだろーなー。でも面白いんだよ。校舎に絵(落書き)が書いてあるシーンがどんどんアップになるのが
微かに記憶に残っている。課長王子や宇宙海賊ミトの大冒険なんかも観たな。
デビルマンレディーもケーブル。ジュンが密室に閉じ込められ、点滴されてるシーン?が印象に残る。エロくて
危険な感じのする作品だと思った。年下のヒロインとの関係が世界に対して内に向かう方向で深まっていくのもよかった。
エンディングが映像、曲ともに非常にカッコイイ。作画のレベルが回によってばらばら。
常にどこか崩壊・破綻を感じさせるような美・空気を持つ作品が多い。
最後にPERFECT BLUE。ファミリー劇場のMADHOUSE特集で知った。B級アイドルというテレビや舞台
で常に観客の望むようなキャラクターをつくり、演技する女性の人間的な面、ストレスなんかを背景などの映像的な面
からも工夫して、巧みに描写する。一人の人間の葛藤など意にも介さず都会は時に彼女を拒絶し、時に必要としながら
進む。彼女もそれにのまれていく。そういった意味でこの作品はとても現実的だ。
99年は無限のリヴァイアス。開始当時キャラクターの紹介をボンボンで観て、"新しい時代が来た"と思った。
とてもクールでセンスがあると思った。内容は最近観たが雰囲気は最高、話はただケンカするだけ。映像的にはカッコイイ。
当時は地方にいる私は当然観れなかった。
ベターマンは確かWOWOWでやっていた。この頃WOWOWアニメがブームで、かなりコアでマニアックな作品の
供給を担っていた。私は加入していなかったのでCMだけしか観ていないが、ネオランガは衝撃だった。あとブレンパワード
もすごく観たかった。奈々子解体珍書は違うか?ベターマンは最近観た。映像が面白い。火乃紀などのキャラはしっかり覚えていた。
トラブルチョコレートはケーブルで深夜観た。マニアックなアニメだと警戒してはいたがオープニングが面白いのと、
ノリもよくて印象に残った。世間から褒められるようなアニメではないと思うが、別に関係ない。一人で観ていて面白い。
それこそが自己完結する、"好き"であるという事の本当の姿だと思う。私から見れば部屋をグッズだらけにするやつも
アニメの服やコスプレをする人達もただ自分を認めて欲しい、騒ぎたいだけに見える。私自身そうなっていると感じる。
IT長者のオフィスにガンダムやザクのプラモデルが飾ってある、あの違和感にも似たものだ。俺もGP03飾ってるけど。
ただアニメは自分と世の中のつながりを確かめ合う安らぎの場では無い。それは好きという事とは違うと思う
し、何に対して好きであるべきかと言えば、その作品のさまざまなものに対する"解釈"に対してだと思う。解釈は作品
によって違う(はず)。例えば巨乳が好きなら巨乳、セーラー服が好きならセーラー服の美少女が登場するアニメと、
その好みで作品を観る。途中でスク水とかに乗り換えてはならない。私は大体主題歌やエンディング、雰囲気で観るから、
無節操になっても仕方が無い(笑)。リアルだと思わないものは観ない。それは一貫している。自分がこれが好きだ、という
ものが定まったらそれは大切にするべきで、譲ってはいけないと思うし、自分なりにこだわって深く追求するべきだ。
自分の部屋でね(笑)それで間違ってないと思う。世の中がどうとか気にしだすとロクな事にならない。皆同じ、になる。
解釈の違いこそが観てて面白いんじゃねーかなー?!(半疑問形)と思う。つまり群れるな、って事かな。
群れててもいいんだけど同時にライバルでもあるべきで・・・ってもうキリがないな。
THEビッグオーはWOWOWの、確かノンスクランブルで観た。マガジンZを創刊時から読んでいたので、観てた。
VAMPIRE HUNTER D bloodlustは前作が個人的に面白いと思ったのでだいぶ後に観た。映像が凄すぎた。
そして2000年。この10年でアニメの表現力や空気感、ストーリーなどが世の中の進歩とともに急激にある
高みに向かって収束していったように感じる。こういう言葉を用いたのは、限りなく近付いてはいくが、
収束する先の極限には達しなかったと考えるからだ。アニメに望むような成長がみられなかった。もっとよい作品、過去の
作品を凌駕するようなものが出てきてもいいはずだ。ガンダムとZガンダム、逆襲のシャアの関係のような攻殻、エヴァ→?
みたいなものが。それが無いから未だに我々は攻殻やエヴァをバイブルのように語っている状態なのだ。
その?を考えるだけでもゾクゾクする。でも無理かもね。俺も思いつかない。過去の業績を超えるような集中力は果てしなく
困難なように感じる。
2000年、まずはゲートキーパーズ。ナデシコにひき続き後藤圭二のキャラデザインがとても魅力的だ。当時はなんだこの
明るいだけのアニメ・・・と批判しつつも面白いと感じて観ていた。
ヴァンドレッドはWOWOWで放映していたのをどうしても観たかった。なんかケーブルの小さい画面で観てた。
アルジェントソーマは名前だけ知っていて、テレビアニメになっているのには驚いた。えらくクオリティが高い。最近観た。
銀装騎攻オーディアンはWOWOWで放映していたらしいが、数年前まで知らなかった。世紀末的な感じがしてすごくカッコイイ。
なんかこういう感じのカッコイイアニメがある事はなんとなく察知していたが。
ラブひなもこの頃のご時世を象徴するような作品なので書いておく。私の中でオタクが一番盛り上がっていたのはこの頃だ。
アニぱらも観ていた。あずまんが大王が特集されてた。ゲームやフィギュアを紹介する番組も盛り上がってた。
blood the last vampireはお昼のニュースか何かでも紹介されていた。地下鉄の中で刀を持った少女の
シーンが印象に残っている。
アダルトアニメからも名作が出る。luv waveはサイバーパンクと言っていいくらいカッコイイ。この頃のアダルト
アニメは現在よりもディープでマニアックで、質がいい。そして現在のアダルトアニメ・ゲームは全てこの頃出た"臭作"が
ルーツである。マジで。それまではいわゆる美少女系アニメキャラをアダルトに用いる事はファンタジーやソフトな作品には
あったがいわゆる鬼畜系に用いられる事は無かった。大体登場するのは大人の女性だった。むしろ美少女(未熟な、弱い
対象)であるからこそ鬼畜だと感じるのかもしれない。私が評価するのは作品のレベルだけだが。
まあ当時オタクもマイナーな存在だったし、中学生だった私もアダルトゲームなど出来るはずもなく、関係無い話では
あったが。はやく18歳になりたいといつも思ってた。
個人的には魔術師オーフェンRevengeや、モンスターファーム、地球防衛家族、破壊魔定光なんかを観ていたのを
覚えている。
あとサクラ大戦も観たかな。ちなみに私はサクラ大戦が流行る前にサクラ大戦コラムスというゲームをデパートでプレイして
その魅力を発見、カンナに惹かれた(萌えた)。
21世紀最初の年、2001年。ある意味アニメがここまで走ってきたのは21世紀へのビジョンのためだ。よりよい表現。
よりよい明日。しかし戦争の無い世界はいともあっさりと打ち砕かれた。そこから世の中が停滞していった気がするのは
気のせいだろうか。俺だけ?それ以前の事なんて覚えてないか。
まあ面白いアニメが無くなったのが切実な問題なわけで、俺みたいな暗い人間がギャルゲーや萌えアニメのオタクになったら
本当に危険だと思いバカにもなれず、毎日半ギレで過ごしている。
機動戦士ガンダムSEEDはまさかあのガンダムがこんなにレベル低いなんて!?と思わせて他のアニメがこぞって作品の
質を下げるようになるのに貢献した。
2002年冬の攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXはかなりマトモだった。攻殻のシリーズなだけはある。
クルッと回る少佐がよかった。これでちょっと盛り上がった。しかし最近は低下している。
2004年、攻殻の続編、INNOCENCEが明日公開という宣伝をワイドショーで観て、明日観に行くぞ!と誓う。
それ以前からネット上で出来のいいCMを見てその存在は知っていた。大学の後期試験の直前だったかな。
そしてそのCGのレベルの高さに感動。帰り道、街が全部CGのように、情報の洪水のように見えた。
2004年はオタクが悪いだけじゃないぞ(?)という事が社会に認知されたり、アキバが盛り上がったりして多少いい年になった。
それ以降話すことは何も無い。一つは注目すべき作品が無い。そしてもう一つはテレビアニメの放映規模が首都圏に限られていて
年90本の粗製濫造だとか言われても、地方にいる私には実感が無い。別に観たいようなものが無いからいいけど。
粗製なんとかは80年代後半にもあったらしいが、いい作品がちっとも生まれないのが問題だ。こんな暗い事は書きたくなかった・・・
たぶんこれはヒキオタな需要側にも問題があるし、賃金をピンハネしている供給側にも問題があると思う。エロ同人やギャルゲー
の萌え絵が向上して盛り上がっているのも、同人誌やゲームつくってた方が儲かるからだったんだ。決して有能な人がいなくなった
わけではなかったのね。アニメーターの単価は30年ほどほとんど変わってないらしい(なわけないと思うけど)。マジンガーZ描いてれば
市場が納得するような時代じゃないしね。テレビ版のナデシコでは描いてたけど(笑)。まさに物価の優等生!
動画の外注も増えた。てゆうかほとんど外注。お隣の韓国ではアニメーターは給料のいい仕事らしい。だからムチャな仕事量も
文句も言わずこなす(あれで仕事したとは言い難いが・・・)。にも関わらずその単価は日本よりも低く抑える事が出来る。
日本って本当に裕福な国なんだな・・・しかし賃金が仕事量に比例しない、技術者に対して厳しいなんてことはいろんな人が言ってる
けど。この国ではアニメーター(動画)はコンビニのバイト以下の最底辺の職業らしい・・・
でもアニメは世の中にすごく貢献していると思う。喜びが無いと人生はつまらなくなる。アニメは喜びを提供してくれるものだと思うから。
アニメに限らず映画やテレビも、人に見られるものなんだからしっかりしないとね。まあとにかく私達はアニメとかつまらな過ぎるこの
現状に甘んじているべきではないのだ!