狂った歯車 楓と正人(2009/7/23)


正人は同級生の妖しげな雰囲気の女の子、楓に誘われるままに学校近くの草の生い茂った空き地へ転がり込み、柔らかい土の上に身を横たえて重なり合っていた。
 「ああ・・・スカートの中に風が入ってきて涼しい」
 土の上に仰向けになって身を投げ出した状態の楓と、その上に両膝をついて覆いかぶさっている正人。二人とも幾分頬を上気させて見つめ合う。
 「川原君のドキドキ・・・もっと感じさせて」
 その言葉に促されるままに、しかししたたかに首を捻り、斜め上から腰を落として顔を楓の耳元に寄せる正人。友達感覚かそれとも遊びなのか。正人は不思議な程自分の胸の中で静かに手を下ろした楓に対し、冷静になっていた。楓のなめらかな輪郭をもった横顔をなぞる様に覗き込む。正人の呼吸音が伝わるくらいに近付いた。
 「んんっ・・・」
 罠に吸い寄せられる昆虫を待ち侘びた食虫植物みたく、首を地面から上げて唇を吸い付かせる楓。少しつらそうな体勢に瞼を力ませ眉を寄せながら、口許を交差させた楓から鮮烈な刺激を急速に送り込まれる様な感覚に、神経の覚醒を覚える正人。
 ジュルッ
 その毒を自ら欲す勢いで、上位置から顔ごと強く唇を押し付けて口づけを返す。
 「ん・・・はあっ・・・」
 正人が押さえつけていた唇を離すと、楓はぬめった舌を物足りなそうに差し出し、合わせて2、3度肩で息をしてみせた。吐息が鼻腔を抜けていやらしく音色を変える。
 「熱くなってきた・・・君のせいだ」
 「私も・・・分かる?」
 正人は両腕を伸ばし、窮屈そうな制服に包まれた身を投げ出す楓を眺めた。大人びた媚びる様な瞳と大きな胸をもてあます中学生。楓はふざけ半分で凶刃を振り回す子供で、正人は同じ子供としてそれを理解出来る。だからこそ、ナイフは下ろさせなければならない。
 「クスッ・・・なんだか甘えてるみたい」
 正人は楓の胸に顔を埋め、細い胴の中の音を知ろうとした。温もりと音と動きとか、それまで正人とを分かつものだった日常だったり、自我だったりする見えないバリアを取り払って、明らかなものとされた。
 「楓さんのオッパイ・・・」
 正人はまた離れて、制服の上の膨らみに手を伸ばして楓の乳房を掴む。まるでそれが彼女を理解する最善の手段であるため、そうして紡錘形に沿って指を這わせる事が正当化されたかのように。
 「ううっ・・・」
 導火線についた火花の様に、ビクッと背中を仰け反らせて痺れを伝える楓の肢体。
 「この服を脱げ」
 熱く溶け合った2人にとって、丁寧な裁縫の制服の上着というのも形も色も重苦しくて半ば不快なものだった。楓の事を知るためには、それらを解放していくプロセスがいる。
 「徒競走でいい順位だった事を思い出して」
 楓の脆そうな首下を撫ぜながらニヤニヤする正人。
 「もうそんな過去の事、忘れた・・・」
 仰向けの状態で顔を背け、覆い被さる正人を見下ろすような視線で、つっかかるようなひと言。視線というのはそれ自体が恐怖だ。だから、動物は争いを除き視線を合わせる事は無いという。
 「うーん、じゃあ嬉しい時」
 正人はさらにヒントを出すつもりで言った。
 「よく分からないけど・・・はい」
 楓は上体を起こして両腕を上げた。スルッと制服が脱がされた。
 「・・・・・・」
 楓はさっきと打って変わって、ブラジャー姿の素肌の露出した上半身を横向きにして、寒そうに肩をちぢこませながら両腕で胸を隠す。
 「・・・もったいない」
 正人は睨んでくる楓に対して警戒を解かせようとするが、野獣の様な目つきで紳士的な態度を取っても、その信用は飴を手渡してくる不審者に等しかった。
 「胸は嫌」
 正人はそう言い切って恐らく全身の筋肉を使って抵抗を試みようとする楓の、頬にかかった艶やかな流れるような黒髪をかき分け、下あごから首筋へと、素肌の抵抗に従うように指を滑らせていく。時折指先を休めると、反対に楓の肢体がピクッと衝き動かされる。
 「楓さんの、見せて・・・」
 やがて正人がすりすりしていた楓の肩から力が抜ける。包みを外すように、胸から楓の両手を下ろした。
 「やあっ・・・」
 紫の布から吊り下げられた、はちきれんばかりに育った乳に一気に突撃する正人。片方を鼻をぐりぐり押し付けフェミニンな布当ての質感を楽しみ、もう片方を荒ぶる様な手つきで揉みしだき、攻略する。
 「んうっ・・・」
 押し戻そうとする楓の手首を押さえつけ、ブラジャーをずらす。窮屈な下着から解放され正人の目の前に晒された乳房が、まな板の上の魚みたく自由振動する。
 「おおっ」
 「・・・・・・」
 普段の優しかった正人は、いやらしいく実った一対の果実の前にその隠された本性を現し、紅潮した頬を手で隠して恥ずかしがる楓を、尚も辱めようとするかのように直接手を伸ばした。
 れろっ、ぴちゃっ
 いやらしい音を立てて、楓の乳房を刺激する正人。下乳の凸面に沿って舌を伸ばし、外気に触れ敏感になった柔肌を舐めほぐす。
 「あっ・・・」
 空を向いた胸の突起を隔て、悶える楓に正人の中でこみ上げる興奮。触覚だけで先端の突起を探す正人の指が、夢中で乳房をまさぐる。
 ビクッ、ビクッ
 手探りで正人の動かす指が乳首を通過する毎に圧迫し、敏感な楓は肩を小刻みに揺らす。楓のたわわな乳房が掴んで持ち上げられ、正人の人差し指がこねるように乳首を刺激する。
 「んんん・・・」
 繊細な睫毛が震える程にに眉を固く閉じ、カラダを襲う激しい羞恥に耐える楓。だがツンと立った乳首がさらに口に含まれ、舌先で舐め回され、はしたなく唾液で汚され光沢をつけれらる。
 はぁ、はぁ
 楓の激しい息遣いの中で絡み合う2人の思考が何もかも蕩けていく。正人は楓の細くて白いウェストに唾液の筋を伸ばし、舌を滑らせていく。みぞおちの窪みに沿ってへそへ。下腹部へ向かう刺激に弓なりになる楓の肢体。
 「川原く・・・うんんっ!」
 楓のつるつるとした両膝を抑えて股を開いてくる正人に、土の上に尻餅をついて起き上がり、キスを求める。口が塞がれる程の激しい口付けをされる。
 「はぁ・・・はぁ・・・あっっ」
 唇を濡らして苦しそうに息づく楓から顔を股の間へ移す正人。そして彼女のシミ一つ無い白いフトモモを丹念に舐め回す。楓は普段感じることの無い感覚に、首を反り返らせて身悶える。まるで全身を粘膜で覆った生き物が這い回っているかのよう。
 ジュルル
 楓がいつもは晒す事の無い秘所の周辺の内腿に、特に念入りに舌が動く。股を開く楓は舌の感触を受ける度に、冷たさと羞恥とに眉をひきつらせ肢体をこわばらせる。
 ゴソ・・・
 舌を離した正人は、パンティ越しにうっすら分かる楓の茂みに掌をあてがう。敏感になった柔肌への愛撫と恥ずかしい姿をさせられている羞恥とに、熱をもちしっとりと湿った楓の秘所。
 グニュ
 パンティの中に手を入れ、楓の茂みの中をまさぐる。
 「あっ!やめて!」
 敏感な部分を弄られ、快感に大きく首を振り煩悶する楓の肢体。さらに奥へと指を入れられ、正人の興奮のままに好き勝手に遊ばれる。指を抜いた正人はパンティの両脇に手をかけた。
 パサッ
 さっきまで楓の大事な部分を包んでいた薄布が、ぎこちない手つきでフトモモから膝、踵を通して外される。楓の温度を持ったそれは、捻れたまま草地の上に投げ捨てられる。