殺人鬼探偵(2021/4/23)

 
 現代より格段に科学が進歩した未来において、人類は太陽系から28,000光年離れた銀河系の中心へと進出していた。
 その中でとある宇宙船がワープ航法を用いて未知の惑星への資源探査の任務を行っていた。
 宇宙船内では乗組員達が船内の整備などを行っていた。
 そこで事件は起こった。
「キャアアアア!!!」
 乗組員の一人が宇宙船の通路で、光線銃によって肉片と化した仲間の死体を発見した。
 「どうした!何があったんだ」
 そこに駆け付けた男、彼こそがこの事件の犯人である。同時に探偵でもある。
 「皆各々の仕事で忙しいだろうけど集まってくれ。サボってる奴も無理やり連れて来るんだ」
 ラウンジに乗組員一同が集まった。
 「皆手がかりがあったら教えてくれ」
 「私は青の宇宙服の人が犯行に及んだのを見ました」
 そう発言したのは殺人鬼探偵の助手の男である。
 「何、それは本当かね、ワトソン君」
 乗組員達の注目が青の宇宙服の男に集まった。
 「そ、そんな、僕は何もしていません」
 青の宇宙服の男は当然犯行を否定する。
 「そういえば彼はずっと挙動不審だった」
 殺人鬼探偵の男が証言を重ねる。
 「人殺しを船に乗せておく事は出来ない」
 青の宇宙服の男は宇宙空間に放り出された。
 「では皆船内の仕事に戻ってくれ」
 乗組員達はそれぞれの配置に戻った。だが探偵で殺人鬼の男はまだ船内に残っている。ちなみに助手も共犯である。